2004.5
■東京・神奈川合同研修会より
■発行 神奈川県知的障害施設団体連合会支援スタッフ部会
東京・神奈川の合同研修会報告
強度行動障害研究研修会
地区会報告
 (横浜地区/川崎地区/県央地区/県西地区/県北地区/
  湘南西地区/湘南東地区/横須賀・三浦地区
編集後記
■基 調 講 演

 2003年11月27日(木),東京都社会福祉協議会において平成15年度東京都との合同学習会が開催されました。午前の部の基調講演では長野県立知的障害者施設「西駒郷」自律支援部長,山田優氏をお招きし,『地域移行のススメ』〜かけがえのない人生に関わること〜というテーマで講演をしていただきました。

 
 長野県に西駒郷では「脱施設」に向けての取り組みがはじまっている。どんなに重い障害があってもその人にふさわしい暮らしの場が用意されるために必要な仕組み,支援について考えたい。
30年前からノーマライゼーションが言われ始めているが,今でも大規模施設はつくられているのが現状である。各地で脱施設ということについて言われているが,大規模施設を解体していこうという動きは行政からではなく,施設から始めなければ進まない。知的障害を持って高齢になったとき,そのまま施設に居続けるのか。「脱施設」について施設側は、県の方針が・・・など言い訳をするが,県の職員では知的障害について分からない人もいる。その人たちが地域移行に向けてのプログラムやシステムを作っていくことは不可能。

 だからこそ,施設から発信していく必要がある。こういったことから,西駒郷では職員の意識改革にも努めてきた。職員は,直接の支援に関するスキルだけでなく,地域生活のツールについても学んでいくべきである。

 障害を持つ人を支援するなかで,家族や本人が安心するのは変わらず居る‘顔’。職員個人ということではなく,組織として在り続けること。個人が,必要なときに必要なだけ利用することができるサービスを整えることで地域の中で安心して暮らしていくことができるのではないか。このような考えを持って,西駒郷では脱施設に向けて次のように取り組みを進めている。
1. 本人の思いを聞いていく─聞き取りの時には職員から情報提供をしたうえで再度の聞き取りが必要。1度きりの聞き取りでは,本人も限られた情報の中からこれまでの固定観念を捨てられないまま話をしてしまうため。
2. 現存の資源がなぜ使いにくいのか,また何が不足しているのかなどについて明らかにしていく。そして,ない資源については新たに作るようにする。
3. 必要な人に必要なだけケアマネジメントを機能させる。
4. 様々なことを踏まえて,自主的に障害者計画の策定への参加をしていく。
地域とは,ご老人や幼い子どもも含めてみんなが安心して暮らすことができることが理想である。脱施設はその理想に近づくなかの一つ。障害を持つ本人も市民であるから,脱施設を遂げた後も,新しい生活に慣れて,市民としての役割が見出せるように支援を続けていくことが必要である。

 
 入所施設から地域への移行というところで政府は様々な方針を出し、ているが、それを目的にどのようなことに取り組まなければならないのかについていくつものプロセスを踏んでいくことの大切さ、それは現場にいる私たち職員の決して遠いところにあることではないということを改めて感じることができた講演でした。施設職員の評価とは何だろうか,というお話の中で,『何事もなく生活できていれば良いのか。変化する利用者本人に沿っていかに支援をするのかが職員の技術力の問われるところ・・・』という内容があったことが印象的でした。

 地域移行にむけてのプロセスとあわせて、なぜ‘地域移行’を目的に福祉が動いているのかということについても考える機会となりました。
鎌倉薫風学園 藤島朋子
■分 科 会
◎第一分科会・・・「くらす」
講師 世田谷区就労障害者生活支援センタークローバー 安部光彦氏
生活支援の形態やコーディネート機能と役割についての説明、さらに一つの事例からグループワークを行い、余暇支援の個別支援計画書の作成を通じコーディネートを行いました。地域、ネットワークの重要性や暮らすことの幅を広げるときに生じるリスク(福祉の理念)をどのように捉え解決していくか、我々一人ひとりの力量が問われていることを痛感しました。
秦野精華園  栗原 大
◎第二分科会・・・「はたらく」  講師 ひらつか就労支援センター所長 勝田俊一氏

同センターでは一般企業の障害者雇用に取り組んでいる。まだ障害者雇用に取り組んでいない企業にはセミナーの開催、企業向けマニュアルの作成を行なっている。また理解のある企業には、職場定着指導員(ジョブコーチ)を臨時雇用して企業に派遣している。そして、一番の特徴としては企業に対して障害者雇用のコンサルティングを行なっていることである。         
ほうあんワークセンターのぞみ  石黒達也
◎第三分科会・・・「あそぶ」  講師 社会福祉法人ひとつぶ副施設長 上條健太郎氏

 「あそぶ」と一口にいっても余暇の過ごし方は一人ひとり違うことを前提に、横浜グループホームの即興ハーモニカバンド「奏・年・隊」の活動報告を通して、余暇支援のあり方、方法について自由、闊達な意見交換を実施しました。

  その中で、本質的にいかにお金をかけて何かに取り組むのではなく、「支援者の創意工夫された実質的なスキルにかかっている」と上條氏は「奏・年・隊」の活動を通し、実感できたとのことでした。
                                
やまばと学園  梅木秀明